ALL Tangoでは、ソトアソビ、おいしいもの、ミステリーの3つをキーワードに活動を展開しています。私はその中の食の担当として、丹後のおいしいものを発信するのが与えられた役割です。 他のイベントでも、料理のワークショップや食の話をさせていただくことがありますが、先日は和食の『旨み』についてお話しする機会がありました。2013年12月に、ユネスコ世界無形文化遺産に登録された「和食:日本人の伝統的な食文化」ですが、その和食の特徴として挙げられている、日本の食の背景については、下記のように書かれています。
- 多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重
この下線の部分に注目すると、まさに丹後そのもの。この小さな丹後半島の中に、和食の特徴とされるすべての要素があるわけです。もう少し詳しく説明してみましょう。
まず丹後の豊かな山と森林から、多量の雨によってミネラルや栄養分が洗い流され、日本海へと注ぎます。海を育てるには山を育てよと言われるように、この豊富な栄養分が、多様で上質の海産物を育てます。また豊かな水によって育つ米も、丹後の名産品のひとつです。その米と良質の水により、酒造りをはじめとする発酵文化が栄えたのも、丹後の特徴です。また味噌や醤油の醸造元もあります。 こうして考えてみると、丹後には日本の原風景があると言えるのです。そしてそこから生まれた食文化が下記に挙げた、和食の二つ目の特徴に書かれているように、長寿を支えているのです。
- ️健康的な食生活を支える栄養バランス
私は京都市内で生まれ育ちましたが、子供の時から、丹後でしかお魚を食べられませんでした。丹後の新鮮な魚は、京都市内で入手できるものとは比べ物にならないくらいおいしいかったからです。
お米や野菜も祖母がご近所の農家さんに分けてもらったり、自分で作ったものを送ってくれていましたし、父はしょっちゅう、丹後から行商に来られるおばさんから食材を買っていましたので、京都にいながらも丹後の食材はとても身近なものでした。丹後に住んでいる方にとっては、当たり前すぎて、いかに良質の食材に恵まれているかを忘れがちですが、よく見直していただけたらと思います。 私はALL Tangoの活動以外でも、料理のワークショップや食の講座を開催しています。ご興味のある方は、どうぞお問い合わせくださいね。
次回からは、それぞれの食材をもう少し掘り下げていきたいと思います。(JH)