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珈琲豆を焙煎する

4/3/2016

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珈琲を淹れるルーティンは毎日ほぼ同じ。やかんに水を入れてコンロにかけ、キャニスターから珈琲豆をスプーン2杯から3杯分すくい出し、コーヒーミルに入れる。ハンドルに手をかけ時計回りに一定のリズムでぐるぐると回す。適度な抵抗を感じながらゆっくりと挽く。軽い金属音とともにガリガリする音を聞いていると、豆が粉になっていくのが実感できる。そのまましばらく何も考えずにハンドルを回していると、急にハンドルの手応えがなくなりキーキーと乾いた金属音だけがするようになる。油を差してやらないとと思いながらずっとそのままで使い続けてきた。たぶんもうしばらくはこのままで使い続けるだろう。そんなことを思いながらミルの下の方にある受け皿を引くと珈琲の濃厚な香りが立ち上ってくる。「挽きたて」という表現がぴったりと当てはまる瞬間。この香りを嗅ぐためにミルで珈琲豆を挽いているといっても過言ではないくらい幸せなひととき。
挽いた粉をドリッパーにセットし、少量のお湯を注いで蒸らす。気が急いているとついついドボドボとお湯を注いでしまうが、そうすると粉からボコッと空気が出てきて蒸らしがうまくいかなくなる。少量のお湯でうまく蒸らしが出来れば、おいしい珈琲が飲める確証を得たも同じ。後は何回かに分けてお湯を注ぎ、きれいな珈琲を抽出するだけ。うまく淹れることができた珈琲は香りもさることながらきれいに透き通ったよう色合いで、見てるだけでなんだか嬉しくなる。

そんなルーティンを繰り返しながら、最近やっと珈琲豆そのものに関心が向くようになった。今までは焙煎された豆をできるだけ酸化させないようにくらいは心がけていたが、スマート珈琲やイノダコーヒなど知られている店の豆をあんまり細かいことは気にせずに飲んでいた。時には街中でドトールやスターバックスのコーヒーを飲んだり、日常的に車に乗るようになってからはコンビニのコーヒーなんかも飲むようになっていった。それでわりと平気だったように思う。だけど最近は自分で淹れた珈琲がやっぱり美味しいと思うようになった。あまり深く考えずに飲んでいたコーヒーと自分で淹れる珈琲の間に大きな溝があることに改めて気が付いたみたいに。少しは余裕が出てきたということなのか、その辺りはよく分からない。

でも今までと大きく違うのは豆のことが気になってきたこと。ロブスタやアラビカに始まりどの産地の珈琲豆かということもさることながら、それがどのように焙煎されているのかも非常に気になる。願わくば自分で好きな豆を選んで気に入った配合を見つけることができれば素敵ではないか。いつかはやりたいと思いながらイメージがそれほど持てなかった珈琲焙煎が、近頃は急に身近に思えるようになってきた。大がかりな機械を使わなくても、生豆をハンドピックし煎り胡麻用の器具か何かで焙煎してみよう、それで何度か試してみて次に進もう、と。そうこうしているうちに珈琲の味を的確に表現できる言葉を見つけられるようになるだろうし、イメージも伝えやすくなるだろう。そうなれば少しは珈琲のことが分かるのではないかという気もしている。

田舎暮らしの利点でもあり欠点でもあるのは多くのことを自分でしなければならないところで、おカネを払ってもおいしいものが手に入るとは限らないところ。ならば自分でおいしいものを手間をかけて作るしかないわけで、僕にとっては珈琲がその対象であったということなのだろう。ゆっくりと美味しい珈琲が飲めるように、生豆を手に入れるところから始めてみようと思う。(KT)
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