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田舎暮らしは何が良いのか(3)

9/16/2016

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ATが何が出来るか考える前に、「田舎にあって、都会が失ってしまったもの」について少し考えてみたい。よく言われるのは、「人でゴミゴミしていない。」「時間がゆったりとしている。」「食べものが新鮮でおいしい。もちろん空気も。」「海が綺麗で、山が緑で覆われている。」などなど。いろんなものが「豊かに」あるイメージ。たしかにその通り。とても良いことだし、人間にとって「もっとも自然な」環境であると言える。(実際はコンクリートで固められた場所が多くなり田舎の豊かさが失われつつある、なんて無粋なことは置いておく。田舎の問題はまた別の機会に。)

都会の持つ「刺激的な部分」と田舎の持つ「豊かな部分」。動と静。陰と陽。太陽と月(ちょっと違うか)。その二つをうまく調和させることはできないか。日々の生活は豊かな時間の中に淡々と過ぎていくけれど、時にボワッと炎が上がる瞬間がある。それは音楽を聴くことだったり、絵画や彫刻に触れることだったり、映画を観ることだったり、レストランで美味しい料理を食べることだったり、バーで楽しくお酒を飲むことだったり、はたまた図書館で偶然に面白い本に出会うことだったり、極めつけは面白い人との出会いによってもたらされるだろうか。そこに組み合わせたいのは、海辺で焚き火をすることだったり、満天の星空を見上げることだったり、広葉樹の森を散策することだったり、波の音に耳を澄ませるようなこと。

そんな環境の中で、自分の可能性を信じて何かに没頭する瞬間が持てれば、それが何を生み出すかどうかは別として人は幸せに生きていけるのではないか。若ければ奇想天外な夢を見て、周りの理解が得られなくても突っ走って行けるだろう。成功も失敗も織り交ぜながら、たくさんの人が自分のやりたいことに没頭する。そんな積み重ねが世の中を豊かなものにしていく。

丹後の地においてATが出来ることと言えば、まずは「いい大人が楽しく遊んでいる、しかも一所懸命に」。目の前に豊富にある海や川や山や森で、眩しい太陽と満天の星空の下で遊びに没頭している。「いい年して馬鹿だね〜。」と言われながらも遊ぶイメージか。まずそれが第一歩。
「一所懸命遊ぶ」ためには、地形のことは知らないといけないし、人々の暮らしにも目を向けなければいけないし、世の中の動きにも敏感にならないといけない。世界で起こっていることにアンテナを張り巡らせなきゃいけないし、何が「面白いのか」突き詰める必要がある。つまり、至極真面目に「面白さ」を追求するという作業が待っている。決して楽しいことばかりではない。

そうやって磨きをかけたプログラムであれば、きっとオリジナリティの高い、クオリティの高いものが出来るだろう。そこまで突き詰めてやるならばこそ「ATらしさ」が出来てくるのだろう、そう考えている。(KT)
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田舎暮らしは何が良いのか(2)

9/15/2016

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仕事がないから都会に行くのだ、とは昔よく言われたこと。田舎に仕事があれば誰も都会になんか行きたくない、と。一面では正しいと思う。個人差はあれど、生まれ育った場所でずっと過ごせるのが望ましいと考える人は多い。一時的に生まれ育った場所を離れたとしても、早い段階で戻って来て生活をしてほしいと考える親は多いのではないか。人は環境により規定される生き物なので、生まれ育った場所の水、空気、食物で生活を成り立たせるのが自然だろうと僕も思う。

その一方で、若者は都会を目指す(近頃は少し違ってきているようだが、それはそれで別の問題を内包している)。都会には若者を惹きつけて止まないものがある。自分のやりたいことにチャレンジできる舞台はいろんな方面にさまざまあるし、日々の生活は刺激的だ。人が多いので、自分と気の合う人を見つけるのもたやすい(だろう)。周りの目を気にせずに、やりたいことができるし、好きな時間に寝て好きな時間に起きれば良い。食べたいものは24時間どこでも手に入るし、便利至極な環境。

ここまであまり明確な定義をせずに「田舎」と「都会」という単語を使ってきたが、そもそも田舎とはどのような場所を指すのか。丹後は田舎か、人口が2千人強の伊根町は田舎と言えるだろうが、5万人いる京丹後市は田舎か。個人的には、伊根町に遊びに来た大学生が定義してくれた「車しか移動手段がない場所は田舎だ」というのは魅力的な定義に映る。公共交通機関が発達していなくて、どこに行くにも車を運転しなければいけないところ。車の運転が好きではない僕にとっては、この点では田舎は苦痛だ。(車なんて持つよりタクシーを毎日でも使った方が廉く済む、と言っていた父親の言葉が恨めしく響く。)

話しが脱線したが僕の定義では、田舎とは、「自分を成長させてくれる場所がない」、さらに言えば「刺激がない場所」ではないかと考えている。仕事はもちろん大切な要素ではあるが、都会のスーパーで働くのも田舎のスーパーで働くのも時給が変わるだけで仕事の内容に違いがあるわけではない。それよりも、ぴりぴりした緊張感のある場、新たな出会いの場やおしゃれをして出かける場など日常とは違う空間がない、また人間の好奇心を刺激するような、人間誰しもが持っている創造性を刺激(インスパイア)するような空間がないことが、人を田舎から都会へ向かわせる要因なのではないか。

もしそうだとすれば、田舎に何らかの「刺激的な場」がない限り人は田舎に住もうとは思わないだろう。大事なことは、人間の持つ可能性を最大限に引き出せるような環境、人の持つ創造性を刺激するような場を整えることなのではないか。都会の真似ではなく田舎のやり方で、つまり自分たちなりのやり方でそのようなことが出来れば、「社会的イノベーション」が起こりやすい土壌を作ることができるのではないか。ATでやりたいことはさまざまな「刺激的な場を作ること」。ありていに言えば、そういうことだ。

では具体的にどんなことが出来るのか、出来そうなのか。次回はそれを考えてみたい。(KT)

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10月からの動きなど…

9/13/2016

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10月からの後半戦に向けて、ALL Tango(以下、AT)もいろいろと変化をしていきます。一つの大きな動きとしては、「有限責任事業組合」を作ります。LLPと呼ばれるもので、事業を目的としてパートナー制の組合を作り、責任を持って事業を進めていこうというものです。今までのATは任意団体であり、わりとふわっとした集まりでした。一足跳びに法人格を持って活動する案もあったのですが、まだまだ足下を固めることが急務であり、事業モデルや組織などをさらに洗練させていくためにも、ここは焦らずにLLPというかたちを取るのが良いだろうとの結論に至りました。LLP自体には法人格はありませんが、一つの組織として今までと比べてもより強い結び付きと事業に対する真摯さが求められるのは言うまでもなく、社会的にも一定の認知を得るべく形成するものですから、心構えとしては対外的に一つ大きな宣言をすることと同じだと捉えています。

将来的にどのような世界をかたちづくるのか、かたちづくれるのか我々にもまだはっきりと分かっているわけではありません。手探りのところがほとんどです。ただ、丹後半島のここでしかできないこと、ここだからやれること、を少しずつかたちづくっていくという姿勢は、ATを構成する一人一人が自覚していることであります。これからは確かに前を見据えて一歩を踏み出す能力が試されるようになります。そこで怯まずに前を向いて進んでいけるか、大きなチャレンジが待っています。

正式な発表は、すべての手続きが終わるであろう10月に改めてご報告したいと思いますが、その際には新たに加わったメンバーも併せて紹介できると思います。2015年に5名でスタートしたATは、現在のところ7名で構成されています。キッチンスタッフがまだ明確になっていないので、10月にはおそらく8名にて新たなスタートを切ることになると思います。

ATのメンバーが個々に輝きを放ちながらも一つの固まりとして、プログラムに参加してくれる大切な人たちや、まだ丹後半島に足を運んだことのない人たちともいろんなつながりを持ち、「ソトアソビ」「おいしいもの」そして「ミステリー」の3つの軸をさまざまに織り込んで独特な時間を作っていく。10月以降もそんな有意義なプログラムを企画、実施していきたいと考えています。

これからも変化し続けるALL Tangoにどうぞご注目ください。 (KT)
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    スタッフ間で共有している考え、我々が大切だと感じていること、運営に関すること、などを真面目に語ります。週に一回を目途に更新予定。

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